測られているのは「思いやり」?

いきなりですが、問題です。
イラスト1~4の中から、正解として用意されているのだろうと推測されるものはどれか、選びなさい。

と、これ実は、とあるテストで実際に出題された英語科のリスニング問題なのですけれど。
そうです。リスニングの問題なのだから音声の放送を聞かないと、答えようがないのです。
それはもちろん、その通りなのですが……
問題文をよく読んでください。「正解として用意されているのだろうと推測されるものはどれか」です。

お判りでしょうか? 解答は3でしょうね。おそらくは。音源も持っていないし、模範解答も所持していないので、知りませんが。
まあ、「出題者の意図」を推し量るに、3と断定してもいいと思いますよ。

もしもあなたがこの題材と選択肢の作成者なら、というところから思考をスタートしてみましょう。
四つの選択肢のイラストをよく見比べてみると、まず明らかに4が仲間外れですね。机の上に載っている本の数がちがう。おそらくは、①「机の上に一冊の本があります」とでも英文が流れるのでしょう。で、真っ先に4が外れます。そして次に、②「女の子は手を挙げています」とでも流れるのでしょう。そうして2が外れて、最後に、③「その本は閉じています。」と流せば、正答は3に決まります。つまり、②がよく聞き取れずに、2という誤答を選ばせる、同様に、③がよくききとれずに、1という誤答を選ばせる、そういう風に問題を作ったのだろう、と思われます。

と、いうわけで、音源を聴いてもいないし、模範解答も見た事ないですが、まあ、どうせ3ですよ。
音源を聴かなくても正答を選ぶことが可能なリスニング問題。日本の学校の英語教育ってそんなもんなので!
生徒諸君、テスト問題の向こうに、出題者の表情が浮かんでいますか? 試験中に、この問題を先生はどういうつもりで(ぼくたちわたしたちの何を測るつもりで)出題しているのだろう、とまで思考が及ぶようになれば、また一つ、勉強するのが楽しくなってきますよ。

どちみち、一年間のカリキュラムもロクに組めない残念な教師たちのつくったテストですので、
試されているのは、確かな知識や豊かな表現力などといった真の学力などではございません。
いかにその先生の授業がお粗末極まりなかったとしても、とりあえず正しいものとして受け入れてしまえる、(すくなくともそういうポーズをとりつつそれがポーズだと相手に悟らせない)そんな優しさや、たとえどんなに理不尽な設問であったとしても、こういうふうに答えてほしいんだろうな、と相手の意図を慮ることができる、そんな、あなたたちの「思いやり」こそが試されているのです。
内申点とは、無能な権力者(あなたたちの場合は学校教員)に従順であるフリができるかどうか、そういう能力こそが試されているのだということをゆめゆめ忘れないように。大人にとって、そういう生徒は「素直なよい子」の評価対象ですから。(どうせポーズだと見抜ける者なんかいません)これを定期テストの成績や内申点を伸ばすための助言としてご一考くださいね。

じゃ、期末テストもがんばりましょう!

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