途中式、ちゃんと書いてる?

こんにちは、宮之川原校の家元です。

今日は、ある男子生徒のことを書きたいと思います。

生徒の名前はBくん。数か月前に入塾しました。

Bくんは活発でいつも元気。

すごくいい子なのですが、ひとつ困ったことがありまして、

それは、Bくんの数学の解き方。

数学の解き方まで活発なのです!

途中式は書かないし、筆算もぐちゃぐちゃ!

入塾当初、Bくんと最初に取り組んだのは、

「数学の途中式をちゃんと書く」

ということでした。

Bくんはテストのときにも、途中式をほとんど書かずに問題を解いていました。

当然、計算ミスは頻発。

特に方程式などは途中式をきちんと書くことが、正解を導くうえでとても大切です。

しばらくは、とにかく途中式をきちんと書くことを徹底しました。

「この24っていう数字はどこから出てきたん?」

「〇〇が××なので、△で割って…」

「はい、書いてみよう」

「めんどくさいなあ」

「書けた?」

「うん」

「その式、よく見てみ?」

「え?」

「なんか、気づかへん?」

「……。…あっ!」

「ほらぁ、ちゃんと書いたら気づくやろ」

こんな感じでした。

 

それから数か月が過ぎたある日。

Bくんが授業のあと、夜10時半ごろに塾に電話してきました。

「先生、俺の座ってた机の中に、紙入ってなかった?」

Bくんの座っていた机に手を入れると、一枚の紙が入っていました。

計算用紙でした。

「ああ、計算用紙のこと?」

「そうそう、先生、それ、捨てんといてな」

後日、Bくんに計算用紙を渡しながら聞きました。

「あわてて電話してくるくらい、大事やったん?」

「うん、問題分からんなっても、これ見たら、どうやって解いたか思い出すねん」

Bくんが忘れていったのは、休み時間にやっていた学校の宿題のプリントの計算用紙でした。

宿題のプリントは余白が少なく、計算用紙に途中式を書いていたのでした。

「あんなに途中式書くの嫌がってたのにな」

「そんな昔の話せんといてーや」

途中式を書く大切さに気づいたBくん、次のテストが楽しみです。

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