『誰の問題かを考えてみよう!』

◇随分前の話になりますが、小6と中2の兄弟のお母さんから相談がありました。
そのお母さんがいうことには、子ども達はお母さんの言うことも聞かないし、
叱ってもぶつぶつ生意気なことを言って反撃するらしいのです。
「どうしたら、私の注意を聞いてくれるようになるのですか?」という相談でした。

◇そのお母さんの話を聴いて一番感じたことは、
お母さんが、子どもの言動に何でも反応してしまって、
そのたびにストレスになってしまうということです。
悪循環になっているのです。

   私 :お子さんに対して、何が一番腹が立ちますか。

 お母さん:そうですね。言うことを聞かないことです。

   私 :言うことを聞かないというのは、どういうことですか。
      叱っても効果がないということなのか、ルールを守らないということなのか。

   私 :両方です。ルールを守らない時は、しっかりと注意をするのですが、
      全く聞く耳を持たずと言う感じです。そのうち、こちらも頭に来て、
      叱ると言い訳をして誤魔化そうとし、そんなことは許せないので、
      ちゃんとするまで言い続けるのですが、ぶつぶつ言いながら、
      やっとどうにかこうにか、言うことを聞くのです。

   私 :お母さん。それは、お母さんとお子さんが、主導権争いをしているのです。
      お子さんの目的を理解して対応していくようにすると良いのです。反応するのではなく。

 お母さん:どういうことですか。彼らは、ただ遊びたいだけだと思うんですが。

   私 :そうなんですよ。彼らは、遊びたいだけなんですよ。
      でも、ルールを守らないのは、お母さんの言うことを聞きたくないからなんですよ。
      だから、そういう時は、お母さんが自然と反応するのではなくて、対応しなくてはらないのです。
      まず、冷静な時に、ルールの確認をし、そのルールを守る約束をして、
      もし、その約束を破ったら、ルール破りの対処は、こうすると決めることです。
      その際に、なぜルールを守らなくてはらないのか、しっかり話し合ってください。

◇子どもが言うことを聞かない時、その目的は、
アドラー心理学的に言えば「主導権争い」をお母さんとやっているということです。
そういう時は、まず誰の問題なのかをお母さんが考えてみることです。
ルールを守らないで不愉快な思いをお母さんがするなら、お母さんの問題ですし、
ルールを守らないと子どもに不利益があるなら子どもの問題です。
このことをルールを無視した時に確認することです。

◇そして、子どもの問題だとすれば、無視をしてもいいですし、
Iメッセージを使って、お母さん自身の気持ちを伝えてもいいかもしれません。
反応には、反応しか返ってこないものです。
お母さんは、反抗期を迎えた子どもの行動を誰の問題かを考えながら、
少し子どもから距離をとって考えてみてください。そういうアドバイスをしました。

『誰の問題かを考えてみよう!』

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