こんにちは。宮之川原校の家元です。
今日、中1生の数学の授業をしていたときのことです。
Aさんは難しめの応用問題を解いていました。
応用問題なので、4行くらい書いたあと、Aさんの鉛筆が止まりました。
そこから5分が経過しました。
この問題はAさんにとって少しハードルの高い問題です。
私は授業前、「Aさんにはここまでは自力で解いてほしい。
そのあと5分以上、手が止まるようなら、小さいヒントを出そう」
と考えていました。
Aさんは私が「ここまでは自力で解いてほしい」と設定していたラインをクリアしていました。
そして5分が経過したわけですから、授業前の計画では、小さいヒントを出すタイミングです。
私はAさんに近寄って「小さいヒントを出そうか?」と言いかけました。
言いかけた瞬間、Aさんから「今話しかけないで!」オーラを感じました。
私は「あと3分待ってみよう」と思い、時計を確認して、Aさんから離れました。
2分後、Aさんの鉛筆が再び動き始めました。
しばらくして鉛筆が止まりました。
「合ってるかなあ?」
Aさんははにかみながら答えを私に見せてきました。
見事に正解までたどり着いていました。
実はこういう出来事は塾では日常茶飯事です。
こういうとき、3分待ってよかったと、心底感じます。
当たり前のことですが、ヒントをもらって解いたのと自力で全部解いたのでは大きな差があります。
ヒントをもらって解くこともとても価値のあることですが、
できれば、全部自力で解いたという体験をさせたい。
そのためには私自身がもっともっと生徒のことをよく見ないといけないなあと思う日々です。
必要以上に教えないこと。
これがお子様の力を引き出すうえで、もっとも大切なことなのだと思います。