◇私たちは、子どもを立派にしたいから、
ついつい出来ていないところや駄目なところを
注意してしまいますが、この注意が頻繁に行われると、
子どものセルフ・エスティーム(重要な他人から
自分のことを重要だと思ってもらえている実感)は
どんどん下がってしまいます。そうなると、
出来ていないことや駄目なところは、改善するどころか、
どんどん悪くなってしまう傾向があるのです。
◇子どもが、自分の出来ていないところを改善するためには、
子どもがその出来ていないところを自分で気が付いて、
どうにかしたいと思うことが重要なことです。
そういう感情が湧かないと、いくら他人から注意をされても、
なかなか改善しないものです。
ましてや、親が一方的に子どもの出来ていない点を注意しても、
子どもはそれを到底聞き入れてくれるものではありません。
◇ですから、それよりは、子どもの出来ているところを承認した方がよいのです。
その方が、子どものセルフ・エスティームが向上するので、
子どもは自分の出来ていないことにも、意識が向きやすくなるのです。
◇子どもは、セルフ・エスティームが高くなると、
自分の出来ていない点や駄目な点を受け止められるようになります。
そうなれば、自分でその出来ていない点や駄目な点を改善しようと動き出すようになります。
その時に、親が子どもの改善行動を関心をもって見てあげることなのです。
この方が、断然有効です。その時が来るまで、親は、
子どもの出来ていることを承認し続けることです。それも気長に。
◇たとえば、出来ていることを承認するとは、こういうことです。
お母さん:おはよう!
A君 :・・・。
お母さん:おはよう!!
A君 :おはよう・・。
お母さん:A君の挨拶でお母さんも元気になったわ!ありがとう!
◇挨拶をしないことに注目しないで、出来たことに注目して、
そのことに言及していくことです。
ぜひ、子どもの出来ていること・当たり前にやっていることに注目し、
そのことを承認してください。これこそ、子どもに対する存在承認なのです。